ここでは、円形脱毛症の治療法に関する情報をまとめます。
基本的には、有効な上位3つ以外のものです。
その他の治療法
1では有効な上位3つについて記しましたので、ここではそれ以外の治療法を並べます。
ただ、上位3つに比べて、有効度が1段階下がるものなので、そこは予めご了承ください。
- ステロイドパルス療法
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効果があると言われている治療法ですが、『発症から6か月以内』という条件があり、現実問題としては実施できる例は限られるのではないかと思われます。
具体的なやり方としては、3日くらい入院して静脈注射(点滴みたいな感じ)でステロイドを注入する形です。 - ステロイド内服療法
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文字通り、ステロイド剤を服用する治療法で、3か月程度服用するようです。
パルス療法で効果がなかった場合に、こちらを選択する流れになるのが一般的なようです。
パルスにしても内服にしても、ステロイドには副作用があるので、治療する前に血液検査から心電図まで、色々な検査を行うようです。
- 抗ヒスタミン薬内服療法
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鼻炎の方には馴染みのある『抗ヒスタミン薬(第2世代)』も、脱毛症にある程度の効果があるようです。
ただ、これ単体ではなく、他の治療法との併用が前提のようです。
アルマデルも服用しています。 - セファランチン内服療法
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セファランチンとは、漢方薬(に近い?)です。
主成分としては、『タマサキツヅラフジ抽出アルカロイド』となっています。
一応、保険適用があり、安全性が担保されていることから、割と処方されるケースがあるようです。
アルマデルも前の皮膚科で処方されました。
治療法の評価
これまで記した治療法については、実は『日本皮膚科学会』の『診療ガイドライン2017年版』からの引用です。
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AA_GL2017.pdf
今は2022年ですが、2017年版以降は公開されておらず、大きな変更はないのだろうと思われます。
https://solomon-memoirs.com/illness/alopecia/109/ に記した上位3つの治療法は
評価B:(治療を)行うよう勧める
というランクです。
今回記した4つは、
評価C1:(治療を)行ってもよい
というランクです。
評価Bについては、ある程度のエビデンスがあり効果が見込める、というレベルですが、C1になると、途端にエビデンスが怪しくなるか、効果が限定的になる感じです。
※ステロイドパルス療法も、効果がない人が割といたり、一時的に効果があっても再発したりするため、BではなくC1なんだろうと思います。
評価Aの治療法は?
評価A:(治療を)行うよう強く勧める
という評価もあるのですが、残念ながら現状では該当する治療法はありません。
しかし、例えばアトピー要因なのであれば、アトピーの治療薬で効果が見込めるケースもあると思います。
アトピーの治療では『免疫抑制剤』が使われるため、それによって脱毛症も治まる可能性があるためです。
ただ、そうではないケースでは何もないため、効果がイマイチ(なように見える)な治療法を粛々と実行するしかないのが現実です…アルマデルも経過を見ながらB・C1の治療法をローテーションしています。
そんな状況ですが、先日、アメリカで脱毛症の治療薬が認可されたというニュースが話題になりました。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-06-15/RDI0B7T0G1KW01
大規模治験で約40%に著しい改善が認められた、とあります。
この薬は『バリシチニブ(オルミエント)』というもので、新薬ではなくリウマチの治療薬として使われていたものです。
ただ、ステロイドより正常免疫を抑える力が強いため、脱毛症は良くなっても他の影響が出る可能性が割とあるらしいです。
もし、日本でも認可されたら、評価はどこになるんですかね?
日本での治験の結果次第だけど、私の予想ではB止まりじゃないかな?
単純に脱毛症への効果だけを見れば、Aになってもおかしくないかも
しれないけど、『その他の影響』が小さくないのであれば、強く勧める訳にもいかないだろうしね。
2022年の今でも、円形脱毛症の治療はなかなか厳しい状況です。
この次は、治療法の効果の現状についてまとめようと思います。
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